結論から言って練習に来る子!!
しかしながら僕の中でもすごい葛藤がありました。
練習には来ないけどすごく上手な子、練習には欠かさず来るけど下手な子。
どちらを試合に出すかという選択は僕らのチームだけでなくこの子達の今後の人生にも大きく影響する事だと感じていました。
練習には来ないけど上手な子
監督!!うちの子は塾、習い事等で平日は練習に参加できません!
しかし週末は出来るだけ参加させます!!
わ、わかりました。そうゆう事情なら致し方ないですね….。
平日は練習に参加できません宣言。それも理解はできます。
各家庭で色々な考え方があってそれに勉強もすごく大切。昨今の小学生はほんと忙しい!何を優先するかは各家庭に任せてありました。
このR子さんのお父さんはバスケット経験者でしかも大学までプレーされていたという事で非常にバスケにも熱心でR子さんもバスケの筋がいい。お父さんゆずりなのだろうと思いました。
しかしお母さんの方はどちらかというと教育ママっぽい感じがしました。
それというのもどうやら中学受験を目指しているようでそっちの方に熱心でバスケは二の次三の次という感じでした。
バスケすっごく楽しい!!
当の本人はバスケ大好きらしく練習に参加した時にはすごく楽しそうにしていました。
お父さんも週末の練習には参加してくれていい感じでした。
しかしピアノの発表会とか家族の用事、従妹の音楽発表会等で週末2日のうち1日しか参加できない、もしくは全く参加できない感じでした。
お父さんの方は自分の娘がバスケ好きでしかも教えたら上手くなりそうだと感じているようでしたがやはり母親の方の優先事項がバスケではなく習い事、家族行事等でした。
ステップワークであったり体の強さ、シュートフォーム、始めたばかりとは思えない程でした。(無論、父親とどこかで練習していたと思いますが…。)
練習には来るけど下手な子
M子よろしくお願いします。体は小さいんですけど……。
分かりました!よろしくお願いします!
すごく感じのいいお母さんでした。いつもニコニコしてすごく腰が低い感じで….。
お父さんは現在単身赴任中らしくつねにお母さんが体育館には顔を出していました。
父母会の活動にも非常に積極的で"何かできる事ないですか?"といつも声掛けしてくれてました。
当の本人のM子はというと…..
監督こんにちは………
お、おう、M子いつ体育館に来た?
とまあ存在感が薄いというか、物静かというか、とにかく体がちいさくか細い。声も小さい。
低学年の子達に混じっていると誰が上級生か区別がつきませんでした。
しかし練習には必ず参加しているし意外と"我"が強かったりとなにかと個性が光る子でした。
低学年の大会で
ほどなくして僕たちの所属している地区の4年生以下の大会が開催されました。その中にR子とM子もメンバーに入っていました。
大会すっごく楽しみ!!!!
大会出たくない・・どうせできないし・・
ミニバスケは通常のバスケのルールとは少し違って1クォーターと2クォーターでメンバーを入れ替えなければなりません。(試合への出場機会を確保するという意味合いで1試合に8人以上が出場しなければならないという規定があります。)
なのでどんなに上手でもずっと試合に出場し続ける事は出来ません。
逆にチームの人数が規定人数ギリギリ等でどんなにバスケが上手くなくても出場できるという事です。
よしみんな、張り切って行こう!!
試合はというとR子は予想通り大活躍!!低学年の中では目立つほどの体格の良さ、体も強くドリブルもシュートも上手い!
一方M子はというと・・・・予想通り?と言っては失礼だが低学年の中でも目立って体が小さく細い。
ドリブルもまだまだできなくてシュートに至ってはリングにもなかなか届かない。
しかしR子や他のメンバーの活躍でこの大会で2勝を挙げる事が出来ました。
試合後、僕は何とも言えない気持ちになりました。
練習にはほぼ参加してない子が大会で大活躍で気分よく帰宅、一方で練習には欠かさず参加、一生懸命練習に打ち込んでいるものの大会では思うようにプレーできなくて意気消沈して家路につく・・・・。
実力の世界!!と言ってしまえばそれまでですがそれでは練習に欠かさず参加して一生懸命がんばってきた子がなんか報われない・・どんなに頑張って練習に参加しても試合に出て活躍するのは練習には来ないけどバスケが上手な子・・・・。
それでは練習ってなに?努力して一生懸命練習する意味ないじゃん!!ってな事になりかねないと思いました。
試合後…..
家に帰ってからコーチであるうちの嫁に今日試合を見て思ったことを伝えました。
練習には来ないけど試合に出るのは練習に欠かさず来ている子の気持ちを考えると….
私もそう思ってたとこ。
嫁も同じことを感じていたようです。やはりこの事をR子と両親に伝えなければと決意しました。
R子さんのお父さん!実は……
コーチとも話した結果、練習に参加しない、出来ないのであればメンバーとしてベンチに入れる事は出来ないとR子のお父さんに伝えました。
お父さんの方は最初は困惑していましたがバスケ経験者なだけにそうゆう僕らの考え方もすぐに理解してくれました。
監督とコーチの考えもごもっともです。練習には参加させてください。
練習に参加できるときは参加したいとの意向でした。
しかしR子本人はどうだろうと気にはなってましたが……やはり練習に参加した時も以前よりは楽しそうではない様子でした。
心が痛かったです。正直言って…
綺麗ごとを言ってR子をメンバーから外したもののチームの事を考えると非常に戦力になる存在であることは間違ない。しかも将来はチームをしょって立つ存在にもなりうると考えていました。
しかしM子の様な子がそれでは報われない。M子の存在がなければこの様に悩むことはなかったかもしれません。
自問自答を繰り返す日々がしばらく続きました。
しばらくして…..
R子は部活を辞めるそうです。辞めて中学受験を目指す事にしました。
そうなることは大方予想はついていましたがショックでした。
それが本当に本人の意思なのかご両親の意思なのかはわかりませんでした。が、結果は変わらず….R子はそのまま姿を見せなくなりました。
まとめ
後日ミニバスつながりの先輩にこの事について相談しました。
先輩の答えもやはり練習に来ない子は試合には出さないとの事でした。
バスケットボールはチームスポーツ。練習も含めてチームプレー。そう考えるようにしました。
実際カテゴリーが上がっていくとミニバスよりかもフォーメーションプレーが増えてくると思いますがそうなると練習に来ないとまず試合には出れないし出てもチームに迷惑をかけてしまう事になります。
中には勝ちたいが為に練習には来ないけど上手い子を試合に出場させる考えの指導者の方もいます。
色々な考えの指導者がいてそれを否定はしません。
しかしながら僕は目標は勝利でもそれが目的になってはいけないと思っているのも事実です。
目標を勝利においてそれに向かっていく過程が一番大事じゃないかなって思っています。
R子とM子の件ですごい葛藤がありました。
正直者は馬鹿を見るではないですが真面目に頑張って練習来ても練習に来ない子が優先して試合に出てしまっては努力は報われないになってしまいます。
努力は報われる、努力する木に花が咲く、その様な事を教えたかった、希望を持たせてあげたかったのです。
しかしながら人生は厳しい….。努力が必ず報われるとは限らない!
それが現実。
でもそれでは人生なんか……寂しいですよね!!
努力したら努力した分、頑張ったら頑張った分だけ希望の持てる環境、希望を持つような人間に成長していってほしいものです。
その為にも我々指導者はその子達をそのように導いていけるメンター(導くもの)になるべきだと思いました。
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